なんでMark II-1一級炉の複数利用なのか。
という話をするために、原子炉自体の構成によって処理できる熱量が決まるよね。ということは、燃料棒の効率の最大値も分かるよね、ということをメモしておく。
■Mark II-1炉の最大許容熱量
これは以外と単純な話で、効率的に配置した場合は炉の内部と表面の温度が大体釣り合うことを考えると、余剰熱を冷却要素の数で割った温度が蓄熱分となる。
この値が限界温度の85%を超えない最大の値が、Mark II-1炉の最大許容熱量となる。
余剰熱 = 発熱-外部冷却-内部冷却
内部冷却=冷却体数
蓄熱/RT = 余剰熱/冷却要素の総和
蓄熱/サイクル = 蓄熱/RT * 10,000
蓄熱/サイクル < 蓄熱上限
蓄熱上限 < 限界温度 * 85%
で、「効率的に配置」するためには放熱体が十分に余剰熱をやりとりできる必要があって、その割合はだいたい冷却要素数の四割くらい。
(この辺は経験的なアレでちゃんと計算してないものの、実際に設計してみると大体合っていると思う)
■燃料棒の発熱について
参考まで発熱の最低値ではこう。
1個(効率1)=4度
2個セット(効率2)=24度
3個セット(効率2.33)=48度
4個セット(効率2.5)=72度
4個セット(効率3)=96度
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■限界熱量の見積もり
ということで、見積もりにはこんな計算をする必要がある。
○Mark II-1七級炉(蓄熱上限は8500度)を設計することにした場合……
・試しに3個セットの効率2.33で燃料棒を配置する計画を考えてみる
発生熱量 = 48度/RT
冷却能力 = 外部冷却26度/RT + 内部冷却15度/RT
冷却要素数 = 15
必要放熱体数 = 15*0.4 = 6
余剰熱 = 48 - 41 + 6 =13
蓄熱 = 13/15*1000 = 8666....
この辺が限界か。
・駄目元でさらに一つ燃料棒を入れてみた場合はどうなるかを考える
発生熱量 = 48度/RT + 4度/RT
冷却能力 = 外部冷却26度/RT + 内部冷却14度/RT
冷却要素数 = 14
必要放熱体数 = 15*0.4 = 6(切り上げ)
余剰熱 = 52 - 40 + 6 = 18
蓄熱 = 18/14*1000 = 12571....
これは試してみるまでもない。爆発する。
じゃあ上の例を目標に組んでみようか……
うん、1サイクル走りきれるな。よしよし。
■実際の設計ひな形
そんな感じでだーっと計算するとこうなった。
二級炉の時点で効率3.0を達成できたので、一級炉はもう発電量を追求するか、クールダウンを短くするかくらいの用途しかなさそうだ。
一応シミュレータで実現可能だった組み合わせを上げておく。
結局の所熱の管理の問題なので、表の発熱量前後でもっとよい組み合わせもあるかも知れない。
等級 | 蓄熱上限 | 配置数 | 発電効率 | 隣接数 | 発熱量 | 発電量 | 参考 |
七級 | < 8500 | 3 | 2.33 | 3 | 48度/RT | 70EU/t | ■ |
六級 | < 9350 | 5 | 1.8 | 3/1/1 | 56度/RT | 90EU/t | ■ |
五級 | < 10200 | 6 | 1.67 | 3/1/1/1 | 62度/RT | 100EU/t | ■ |
四級 | < 11050 | 5 | 2.2 | 3/2 | 72度/RT | 110EU/t | ■ |
三級 | < 11900 | 8 | 1.75 | 3/2/1/1 | 84度/RT | 140EU/t | ■ |
二級 | < 12750 | 7 | 2.14 | 3/2/2 | 96度/RT | 150EU/t | ■ |
4 | 3 | 4 | 96度/RT | 120EU/t | ■ | ||
一級 | < 13600 | 9 | 1.89 | 3/2/2/1/1 | 104度/RT | 170EU/t | ■ |
10 | 1.8 | 2/2/2/2/1/1 | 104度/RT | 180EU/t | ■ |
※1 念のため、これは実際の検証に耐えた結果ではないことを断っておく。
※2 七級炉は反応炉周辺にケーブルのみ設置した場合の値であることに注意。パイプなどの装置の類を組み込むと外部冷却能力は低下する。